結局、チャンスを自分で逃してしまう経営者の「4つの間違い」

結局、チャンスを逃してしまう経営者の4つの間違い

経営相談を受けていると、ある共通点に気づきます。

それは、

チャンスがまったくないわけではないのに、

結果として自分でそのチャンスを逃して

しまっている経営者が少なくないということです。

もちろん、本人はそんなつもりはありません。
むしろ真剣ですし、苦しんでいます。
何とかしなければと思っている人がほとんどです。

ただ、苦しくなったときほど、判断は狂いやすくなります。
視野が狭くなり、焦りが増し、いつの間にか同じパターンを繰り返してしまう。

これは能力の問題というより、
苦しい局面でどう考え、どう判断するか
という問題です。

今回は、私がこれまで見てきた中で、
経営者が自らチャンスを逃してしまう原因になりやすい
4つの間違いを整理してみます。


間違い① すべてを一人で抱え込む

経営者は孤独です。

社員には弱音を見せにくい。
家族に話しても、経営の細かい話までは伝わりにくい。
同業者には本音を言いづらい。

その結果、何が起きるか。

すべてを一人で抱え込むようになります。

そして、一人で考え続ける。

しかし、一人で考え続ける時間が長くなると、
人の思考は次第に堂々巡りになります。

同じ悩みを何度も反芻し、
同じ不安にとらわれ、
考えているのに前に進まない。

ここで問題なのは、
「孤独であること」そのものではありません。

本当に怖いのは、
孤独によって視野が狭くなることです。

視野が狭くなると、
本来なら見えるはずの選択肢も見えなくなります。

誰かに相談したからすぐ解決するとは限りません。
ですが、状況を外に出して整理するだけでも、
思考の詰まりはかなり変わります。

抱え込むことは、真面目さのように見えて、
実際には判断を鈍らせる原因になることが少なくありません。


間違い② 現実を数字で見ない

苦しくなってくると、
多くの経営者が無意識にやってしまうことがあります。

それが、

現実を曖昧にすることです。

たとえば、

・今の売上はいくらなのか
・固定費はいくらかかっているのか
・借入残高はいくらなのか
・あと何ヶ月持つのか

本当は見なければいけない。
むしろ、真っ先に確認しなければいけない。

それでも見なくなる。

なぜか。
怖いからです。

数字を見ると、現実がはっきりしてしまう。
希望的観測では済まなくなる。
だから、つい先送りする。

ですが、経営は感情ではなく
数字と構造で進みます。

数字を見ないままでも一日は過ぎます。
一週間も過ぎます。
ですが、その間にも固定費は出ていき、
資金は減っていきます。

曖昧な不安に包まれたままでは、
正しい判断はできません。

厳しい現実でも、数字にすると対策が立ちます。
逆に、数字にしない限り対策は立ちません。

苦しいときほど、
感覚ではなく数字に戻ることが必要です。


間違い③ 判断を先送りする

一人で抱え込み、数字を見るのもつらい。
そうなると次に起きやすいのが、

判断の先送りです。

これは「サボっている」という話ではありません。
むしろ逆です。

本人の中ではずっと考えています。
悩んでいます。
不安にもなっています。

ですが、考えている時間が長くなるほど、
決められなくなる。

・値上げするかどうか
・商品を絞るかどうか
・営業を増やすかどうか
・誰かに頼るかどうか
・今のやり方をやめるかどうか

本来、決めなければならないことを決めないまま、
時間だけが過ぎていく。

経営において大きいのは、
「間違った判断」より
判断しないことの損失です。

なぜなら、間違った判断は修正できますが、
先送りした時間は戻らないからです。

状況が悪化する経営者ほど、
何もしていないわけではありません。
むしろ頭の中ではずっと動いています。

ただ、現実の経営を変えるのは
頭の中の思考ではなく、
決断と実行です。


間違い④ お金がないことを理由に、打ち手まで安く済ませようとする

もう一つ、非常に多いのがこれです。

資金が厳しくなると、打ち手の選び方まで「とにかくお金をかけない」が基準になる。

追い込まれると、
「これ以上お金を失いたくない」という心理になるのは当然です。

これは責められることではありません。
誰でもそうなります。

ですが、この心理に支配されると、

・無料情報ばかり集める
・自分だけで何とかしようとする
・本来は時間を買うべきところでもお金を使わない

という状態になりやすい。

一見、節約しているように見えます。
ですが、実際には

お金を守っているようで、時間を大量に失っている

ことが少なくありません

本当に資金がない会社ほど、
本来は遠回りしている余裕がありません。

にもかかわらず、
「無料で学べるものを探し続ける」
「独学で何とかしようとする」
「必要なところへの投資まで全部止める」

こうなると、
問題の解決が遅れます。

ここで大事なのは、
「何でもお金をかけろ」という話ではないことです。

そうではなく、

お金が厳しいときほど、“どこに使えば時間を縮められるか”を考えなければいけない

ということです。

経営が厳しいときに一番重いコストは、
出ていくお金だけではありません。

改善が遅れる時間そのものが、致命傷になる

ことがあります。

そして、誤解を恐れず言わせてもらいます。
はい、はっきり申し上げます。

独学で勉強する時間があるんだったら、


これぞと思ったパートナーや仕組み作りに費やす資金を
集めるために時間を使った方がよほど効率的ですし、


再建の確度はより上がるというものだと思います。


苦しいときほど、間違いは連鎖する

この4つは、それぞれバラバラではありません。

一人で抱え込む。
すると視野が狭くなる。

数字を見るのがつらくなる。
すると現実把握が遅れる。

現実が曖昧なままになる。
すると判断を先送りする。

判断を先送りしながら、
打ち手だけは安く済ませようとする。
すると、さらに時間を失う。

この連鎖が、
気づかないうちに会社を苦しくしていきます。

逆に言えば、
どこか一つでも断ち切れれば、流れは変わります。

抱え込まず整理する。
数字を見る。
先送りをやめる。
必要なところには時間を買うつもりで投資する。

経営は、派手な逆転劇よりも、
こうした判断の積み重ねで変わっていくものです。

状況が厳しいときほど、
気合いや願望ではなく、
判断の質が問われます。

チャンスは最初からゼロだったのではなく、
自分の判断で遠ざけてしまっていた。

そう気づけるだけでも、
経営は変わり始めます。